桃の木の立ち退き?!ここまで大きくなりましたが。。。軌跡4

みなさんこんにちは。今日はこちらも雨です。

 

雪にならなくなってきたあたり、春の訪れを感じさせてくれます。
この間の一番大きな出来事は、昨年の3月に植えた桃の畑のあたりに、トマトの水耕栽培ハウスを作る計画が持ち上がっていることを知らされたことでした。
これは大手食品メーカーのカゴメなど、いくつかの企業が共同で出資して全部で10ヘクタール規模の土地を買い上げ、国内最大級のトマトハウス団地を作ろうというもの。最初に地元紙の記事でそれを読んだ時は、うちの畑のすぐ近くだなあと思ったのですが、それから2日ほどして、私がその土地を借りている地主さんから電話があり、桃畑がそっくりハウス建設予定地に入っていることを知らされたのでした。

 

三郷村としてもそれだけの企業が入ってくれることでの税収効果、地域の雇用確保、それから後継者不足で荒廃農地がだんだん増えてきている実状を改善するためにも前向きに進めていきたい意向とのこと。

 

企業側が三郷村に着目した理由として、トマトに適した気候(温度、湿度)、年間日照時間の長さがあるそうです。確かにここは夏場でも朝晩は涼しく、湿度も上がらない高原性の気候で、雨も少ない地方でして、それが果樹栽培に適した気候風土を形成しているのですが、トマト栽培にもそれが当てはまるのだそうです。

 

それにしても10ヘクタールの水耕栽培とはたまげましたな。農業もだんだんと大企業化していきます。やはり今の経済システムの中では自身の生き残りをかけ、あらゆることがそういう方向へ向いていくのでしょうか。

 

そしてその予定地は確かに荒廃農地と言われても仕方がない畑が結構あるところで、果樹が植えてある畑もうちの桃とリンゴ農家の方が1軒か2軒ぐらいのものであとは畜産の牧草畑に使ってる所はいいほうで、藪になってたりする畑もあるのです。

 

土地の所有者としても、使ってない土地を値段も保証してもらって売れるのですからぜひ進めたい話だと思いますし、果樹農家には個別に保証も考えていくとのこと。おまけに水耕栽培技術という物はずいぶん進歩してきているので、土で作るよりよっぽど農薬の世話にならないですむそうです。

 

そんなわけで、大企業化したり、土無しで作物を作ったり、そのことを面白く思わない人もいるでしょうが(私もちょっとはそういう気持ち)、どうやら前へ進みそうな雰囲気なのでした。

さあ、えらいことになりましたな。はやい話が立ち退きです。

 

桃も植えて一年、ずいぶん大きくなりました。

 

腰ぐらいの高さだった苗木が今はみんな私の背丈を越えています。植え替えが一年遅れると、さらに大きくなり(桃は成長が早いのです)移植作業が大変になるだけでなく、樹そのものの根っこをたくさん切ることにもなり、ダメージが大きくなります。

 

三沢さんに相談した所、ハウス建設はどうやら進みそうな話だが、今年の春のうち、それも花が咲く前にやってしまうなら樹にとってもダメージ少なくいけるのではとのことでした。

 

全部で2反、75本の樹があります。一本一本の樹の将来を考えた時、それが一番だなと結論を出し、明日から、植え替えする畑の準備にかかることにしました。まだ正式に決定されたことではなく、計画段階の話なのだから、早まって動かないほうがいいのかもしれません。

 

しかし将来を見据えて、最善を考えて、自分で判断したことです。それが裏目に出たとか失敗だったとか簡単にいわないで、その結果は自分がこの世を去るときに判定するぐらいのつもりでやってみたいと思います。

 

こんな時代だから農家とお客様の繋がりを大切にしたい

話は変わりますが先日の新聞で、生○が仕入れている〇〇という会社が、タイ産の鶏肉を「鹿児島産無薬飼育」と言う表示で販売したと言うことを読みました。

 

「あれ、うちも生協の鶏肉買ってたよなあ」「そうねー、確かそんなことかいてあったような・・・」 冷蔵庫から輝美が持ってきた袋にはしっかりと、「鹿児島産無薬飼育のとりムネ肉」とあります。おやオヤ、我が家にもありましたか。

 

雪印食品の偽装牛肉事件をはじめとする食品業界の「うそをついて食べ物を売る」ことについて、社会的関心が高まっていますが、まあ、アメリカ産を国産と言うのは確かにうそでしょうが、僕の感覚として、例えば自分の世話して育った作物を、いろんな言葉で飾り立てて、宣伝したり、消費者の気をどうやったらひけるか、客にこれを買わせるにはどう言うかと、いろんな「たくらみ」を持って周りに働きかける行為も、「うそ」の仲間のような気がしてならないのです。

 

リンゴならリンゴ、人参ならニンジン、ぐらいじゃだめなんでしょうかね。あとは、作っている人を、人間性をみてもらうほうが、その作物の本質がわかるように思うのです。

 

自分がおぐらやま農場だよりと称して皆さんにお便りしているのは、自分の生活や思索をそのまま書くことで(書けているかどうかは別として)、そういう生活や思索を、人間性を培うことを、自分自身に課しているという面があります。

 

また、書くことが自分の気持ちを確認する、意志を確かめていく、と言う作業になっています。ですから、読むほうにとっては「つき合わされている」ことになるのかもしれませんが、つき合ってもらうことで、お互いに刺激されたり、教えてもらったりしながら、自分達の暮らしのこと、これからの社会のことなど共に考えていけたら幸いです。これからもこちらの様子、こつこつとお便りさせてもらいますのでどうぞよろしくお願いします。

移動したあとの桃畑の様子です。

こんなこともありましたね。当時は農場はじめたばかりで友人たちに手伝ってもらって、ようやく植え終わり1年経ったところの桃の木たち。結構木も太くなってたので大丈夫か心配しました。

無事に土に活着し、毎年美味しい桃をならせてくれるようになったのです。お客様からも嬉しい声が届き、私達も毎年お届けできるのが嬉しいです。

そんな桃の木も、もう15歳を過ぎますね。また新たな苗木を植えているところです。

このお便りは、2002年3月15日のものです。(テル)

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