自給自足生活 食べ物をプロデュースする暮らし 軌跡11
お酒とご飯の話
皆さんこんにちは。
昨日は横浜から、友人のK夫妻がふうわの1ヶ月あとに生まれたK君を連れて訪ねてきてくれました。昨晩は、温泉のあとの晩御飯でD君に付き合うつもりで飲んだビールにやられまして(グラス2杯なんですが)、その後すぐに睡眠モードに突入し、気が付けば朝でした。
いやいや、お酒にはまるで免疫がなく、少し飲むとすぐに意識が遠のいていってしまいます。二十歳を過ぎてはや11年。アルコールはほとんど飲まずにこれまで通してきたものですから体質的に受け付けない感じになってしまいました。美味しくお酒を飲める人たちにはおおいに楽しんでもらいたいし、それで場の空気がなごやかになったり盛り上がったりしていますから、アルコールの害をいちいちどうこう言うようなこともないと思いますが、私は今のところ飲めません。
お酒の好きな人もいろいろですが、上手に飲んで酔いを楽しんでいる人もいますね。僕にはよく理解できないけどそういう人生の楽しみ方もあります。人それぞれ価値観の違う中で生きていてもお互いの「人生の楽しみ方」は尊重していきたいと僕は思っています。
僕自身は「飲む」よりも「食べる」ことの好きな男でして、ご飯をゆっくりと味わいながら食べることをとても大切にしているつもりです。昔から早飯食いで大食漢でした。
酒こそ入りませんが、胃袋に自信があるので、無茶して食べることもよくありました。このことについては反省することが多いです。腹が減るから食べるのですが、どうもそれだけでは満足行かないのですね。仕事も体を動かす仕事が多く、エネルギーを使うのでいくら食べてもそんなに太りはしませんがたくさん食べることと睡眠不足がずいぶん体にムリをかけていたと思います。具体的には腰痛と背中に出る吹き出物が絶えませんでした。勤め酪農を辞め自分で独立して百姓をするようになり、自分が世話して育ったものをよく食べるようになってから意識がずいぶん変わったように思います。
食べ物をプロデュースする暮らし
輝美も「食べたいものをメニューにする」と言うことから「自分の畑にあるものをどう料理するか」、という考え方が当たり前になってきました。
だから畑には食べたいものから種を蒔くのです。僕と輝美では食べたいものもちがうので、自分が食べたいジャガイモは早くから種芋を買い込み畑も作って順調に準備が進むのに、輝美の食べたいとうもろこしや蕪ははちっとも種も買ってこないし畑もできない、すぐ後回しにするんだからとよくぼやかれ、ようやくこの前種を買ってきました。
食材も野菜中心になるので、肉、乳製品が減る傾向になります。そんな風に自分たちの「食べる」行為をどのようにプロデュースするかが今の僕達の楽しみの一つであります。体の調子は以前に比べてほんとに調子よく、時々飲むお酒でペースを崩すくらいでしょうか。
食べることの背景をプロデュースする、これは農家の生活そのものです。そこに自分の心の中の哲学的なものを表現していく。これはとてもやりがいのある楽しみです。最初は拙く、不十分であっても、いろいろやりながら変化させていく。こんなことが人生の楽しみの人がいてもいいですよね。
昨年の秋の霜がきつくなる前に白菜、大根、人参、ねぎ等を畑から引き上げ、地大根は沢庵漬、野沢菜は野沢菜漬にし、夏の終わりに取ったジャガイモも含めて、この冬はずっとその野菜を食べていました。あと食後にりんごをむいて食べるのが習慣でした。
春になって青菜がまた伸びてくると莟が立たないうちになるべくたくさん食べようと、せっせと輝美がとってきて食べました。今日は莟が立ってきたほうれん草をみんな取ってきて鍋でゆがいて冷凍しておきました。漬物にしたり、冷凍したり、他にも保存方法はいろいろありますので、順次勉強していきたいと思います。
今回の写真は満開のりんごの花。りんご畑がつづく三郷村小倉地区には、何か世界が白一色に染められるような何日間かがあります。りんごには一房の中に中心花とそれを取り囲むように5つの側花が咲くのですが、中心花が先に咲き受粉が早く美味しい実になるので、これからは中心花(果)を残し、あとの実は落としていく一輪摘花(果)が急がれています。それでは皆さん、また来週までごきげんよう!
この記事は、おぐらやま農場がはじまり1年目の2002年5月4日にお便りしたものです。
まだまだ1年目の慣れない作業ですが、がんばっていましたね!!
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