食べ物、考え方が人をつくる 120歳まで健康に生きる道35
マレーシアプトラ大学から来てくれたウーファーさん
うちの農場でWWOOFを初めて早12年がたとうとしています。この間たまたま計算したら実に1000人以上の方が日本各地、世界各国から安曇野にある我が家を訪れてきてくれていたのです。改めてこれってすごいよなーって思いました。そして今年初めてマレーシアからのウーファーさんがやってきました。
大学で農業関係の勉強をしている4人が、インターンシップの実習を日本で行おうと3カ月ほどの滞在予定。彼ら、彼女らはイスラム教徒です。性格がとっても穏やかで作業も一生懸命手伝ってくれ、そして週に一度おいしいお料理も披露してくれますが、やはりマレーシアの方たちは、スパイシーなものがとても好きなようで、私が火を吹くような辛さと思っていても、彼らにとってはいたって普通の味のようです。(笑)
そんな彼らは6月はラマダンといって、日の出ている間は水も食事も一切とらないという期間が1カ月続くそうです。朝の(?)2時半に食事をとってから、夜の7時すぎに夕食をとるまでは、水も食事も一切とらない。暑い中農作業するのに、大丈夫だろうかと私も今からドキドキしています。好奇心から何のためにラマダンはあるの?と聞いてみました。私も5日間までなら断食をしたことがあるので、こういった断食の話題は関心があるのです。
いろいろ理由はあるようですが、とても印象に残った2つがあります。ひとつは「セルフコントロール」。このラマダン期間で自分を律することの大切さを知るとのこと。そしてもうひとつは「自分にとってほしいものではなく、何が必要かを知るため」とのこと。この言葉に、何かものすごく感動してしまいました。日常から彼らの言動を見ていると、何気なく語るその言葉に真実味をものすごく感じます。20代前半なのに人の心を思いやるチカラがある、しっかりした若者たちなのです。
世界各国からくるウーファーさんと話しをしていて、どこの国も農業のなり手が少ない、後継者がいないという話をよく聞きます。フランスもマレーシアもそうらしいです。賃金が一番安いというのが最大の理由のようですが、食べ物がないと人って生きていけないんだよねって最後に話は終わります。日常生活のほとんどは、意外にも「ほしい、したい」で成り立っていると思います。自分にとって何が本当に必要なのか。私もラマダン期間中に自分に問うてみたいなって思います。【2016年6月】テルミ
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