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出光創業者の言葉 2017年1月ニュースレターより 無農薬のりんごづくりを目指して

お正月に映画館へ行く人は多いと思いますが、私は石油販売の出光興産創業者の人生を追った映画「海賊と呼ばれた男」を見させてもらいました。我が家のお隣で牧場をやっているTさんが私たちの人参畑の地主さんなので、年末に御挨拶と地代支払いへ行ったときに、「海賊と呼ばれた男」の本が机の上に置いてあったのを見つけて、「これ、お正月に映画館へ行こうと思ってるんですよ」というと、「お、ちょうどいいね。持って行って読んでおけや。」 「Tさんが読んでるところじゃないのですか?」 「前に一回読んであるから、俺は急がないよ。持っていきな。」 と言ってくれて、原作と映画とセットでこのお正月は出光佐三氏にしっかりと浸かっておりました。

(ちなみにTさんは私たちがここへ引っ越してきてから10数年、野菜畑や、もみ殻運びのダンプカーや、大雪の日の雪かきに大きなバックホーや、畑でトラックがぬかるみから出られなくなった時には40馬力のトラクターや、いろんなものをお借りしてお世話になっている方です。)

Contents

出光興産創業者、出光佐三(いでみつさぞう)氏の言葉より

出典:https://twitter.com/sazo_bot

< 人間尊重が原点 >

「出光の仕事は金もうけにあらず。人間を作ること。経営の原点は人間尊重です。世の中の中心は人間です。金や物じゃない。その人間というのは、苦労して鍛錬されてはじめて人間になるんです。金や物や組織に引きずられちゃいかん。そういう奴を、僕は金の奴隷、物の奴隷、組織の奴隷というておる。」

 

「私は70年にわたって事業を営んできたが、その根底を成したのは終始一貫して人間の尊重、人間本位のやりかたを貫いたことにある。本来、日本人は金銭のためにのみ働くのではなく、どの民族にもみられぬ協和の精神を持っている。この美徳が敗戦によってぶち壊され、今の世の中は金のみがすべてという風潮になり下がっておる。戦争前にもそんな輩(やから)はウヨウヨいたが、そんな連中はしょせん一時の徒花(あだばな)、長く続くものではない。出光が志向したことは、事業人として、また出光人として、この乱れた世の中に清廉の花を咲かす。それを体現することにより、国家社会に大いなる示唆を与えたい・・自分の一生はそのためにあったようなものです。」

 

< 資本とは 事業とは >

「わが社の資本はカネでなく、人間だ。カネは資本の一部だ。いちばん大切なのは人。人が第一であって、人が事業をつくり、事業がカネをつくる。カネは人についてくる。」

「たんなる金儲けを目指すだけでは、真の事業とはいえない。そこには、真も善も美もない。事業も究極においては芸術である。事業には、常に普遍的な国利民福を念願した、また彼岸した真理性が望まれねばならない。出光の事業は、だれが見ても美しからねばならぬ。醜悪なる、たんなる金儲けであってはならぬ。」

 

< 馘首(かくしゅ)はならぬ。仕事をつくるんだ。 >

「海外から帰ってくる社員をクビにするだと? 社員は家族だ。そんな薄情なことができるか。仕事がないなら探せばよい。安易に仲間をクビにして残った者だけで生き延びようとするのは卑怯者の選ぶ道だ。みんなで精一杯やって、それでも食っていけなくなったら、みんな一緒に乞食になろうじゃないか。」
注釈:終戦直後、焦土と化した東京のどまん中、出光興産の重役会議で大量解雇やむなしの意見が大勢を占めた。出光は戦争で海外の事業は全て失った。海外から引き揚げてくる800人の社員をどう処遇するか、「とても引き取れない」「人員整理が必要だ」という意見が飛びかった。その時60歳の佐三が重い沈黙を破って出たのが上の言葉である。

社員は家族だ。おぐらやま農場のスタッフさんはみんなとってもいい笑顔です。

「真面目に働く者が、それに見合う報酬を受けるのは当然の理である。好・不況にかかわらず、社員の生活は保障されねばならない。ぜいたくはいけないが、貧しいのはもっといけない。」

< 信頼と尊敬で結ばれる >

 

人間社会は人間が支配している。その中で一番大きな働きをするのが、信頼と尊敬で結ばれた、真の和の人間集団の働きだ

「一出光の利益のために、イラン石油の輸入を決行したのではない。そのようなちっぽけな目的のために、50余命の乗組員の命と日章丸を危険にさらしたのではない。横暴な国際石油カルテルの支配に対抗し、消費者に安い石油を提供するために輸入したまでだ。」

注釈:昭和28年いわゆる「日章丸事件」が起きたが、当時の日本の石油業界はメジャー(米欧の国際石油資本)に支配され、自由を失っていた。そのため、高価で品質の劣る石油製品を押し付けられても拒むことができなかった。だが佐三はこれに真っ向から立ち向かった。しかし、ゆく手をメジャーが阻みつづける。佐三はロサンゼルスからの輸入を妨害されると、つぎにベネズエラなどから輸入したが、これまたメジャーに妨害される。そこで佐三は、イラン石油に目をつけ、ひそかに交渉を進めて石油輸入協定を取り付けた。当時イランとイギリスが紛争中で、タンカーを回航させるには危険が大きい。ところが、佐三は果敢にも日章丸をイランの精油基地アバダンに回航させ、多くの危険をくぐり抜け、やっとイラン石油の輸入に成功した。このときの記者会見で語ったのが上の言葉である。

 

感銘を受ける物語でした。「出光」さんの名前通り、自分自身が光の存在になるという、ものすごいエネルギーでした。原作をある程度読み込んでから映画を観たので、一つ一つのシーンに込められている意味もよく分かりました。今はゆっくり反芻しながら内容を消化しているところです。原作者の百田さんはメディアに出てくるときは様々な過激発言で有名ですがそれはそれとして、原作は一読の価値ありです。

それから、「北の国から」のテレビドラマ以来、ドラマや映画に出てくるたびに僕自身をつい投影してしまう、俳優の吉岡秀隆さんの役名が「東雲(しののめ)さん」というのが笑ってしまいました。私の住んでいる場所が安曇野市三郷小倉の東雲なのです。この日は大ヒット中の「君の名は」と2本立ての映画館でしたので終わった時には涙も枯れ果てて、テルミさんは呆れておりました。映画館でエネルギー充電。今年もがんばります。(アキオ)

 

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