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トマトジュースをつくるための加工トマト栽培

加工トマトは一般的に地這い(じばい)で作るのが常識で、支柱を立てたりポールでネットを張ってからませたりする作り方はほぼ皆無です。出来るだけ手をかけないで、資材費をかけないで、放任に近くても肥料・農薬があればそこそこ収穫できるものという認識が一般的。地元農協のトマト部会出荷価格を見ると、たくさん手をかけ資材費をかけても、黒字にできないという計算もあると思います。

 

でも肥料・農薬の力、そして長年積み上げてきた栽培技術は素晴らしく、反収10トン以上取る人も現実にはおられて、安価ではあるけれど価格は安定しているし、国産加工トマトの需要は堅調なので、この辺りでは取り組む農家が多く、長野県中信地区は全国でもトップシェアを占める加工トマト生産地です。

 

おぐらやま農場の果樹園であれだけ「植物ホルモンの活性化」を徹底的にやっているのですから、加工トマトではどうやったらいいのか・・・。毎年長雨が来るとトマトが勢いを失い、無農薬の畑では病虫害の為に収穫量が減ってしまう現実を少しでも改善したいという思いから、6月9日の切上げ剪定講習会で色々とご意見アドバイスを頂いて、いくつか試行錯誤している今年のトマト畑の様子を紹介です。

 

1枚目。わい化栽培のりんご畑を全伐採して耕作放棄されていた所をトマト畑にした場所。トレリスと呼ぶ鉄のポールとワイヤーが4メートル間隔で入っているのでそれを利用してトマトの横に細い支柱を立て、横芽かきをしないので数本出てくる茎を支柱に縛り上げる。予想通りだが、これが一番手がかかります。

2枚目。トレリスを利用してそのままきゅうりネットを張り、伸びてきたトマトの茎をネットに絡ませていく。通称ソバージュ仕立て。これもトレリスがあるから出来るという前提。ネットそのものは50メートルもので300円ほどなので資材費としては格安。ネット張りもやり方をのみこめば難しくはありません。

3枚目。耕作放棄地だった元りんご園をトマト畑に作り替えた全景。トレリスが4m間隔なのでその間にもう1列畝をつくりトマトを植えました。それが4・5枚目。これはトマトを上に伸ばしていく発想ではなく、横向きで同じ方向へ茎を揃える発想。果樹で言うとぶどう・キウイ、野菜ではカボチャなどのツルものを世話する時の原則。茎を一方向へ揃えて束ねていくことで、植物ホルモンが活性化する。

 

4枚目。50㎝間隔の1列植えで、伸びてくる生長点をみんな同じ方向へ向けて整枝する。長さ80㎝程度の竹の棒を2本、畝の上でクロスに打ち込み、約5m間隔で山型を作って、トマトの茎が畝からはみ出さないよう、ずれ落ちないよう、アスパラネットを竹棒にひっかけながらガードとして使う。強風でもおそらく大丈夫という強度は出た。茎の長さが50センチ以上にはなってきているので隣のトマトに覆いかぶさり始め、いい具合に日陰を作っている。ただ、アスパラネットが100m約1200円。全部で50畝近くこれが必要だとすればかなりの出費だが、毎年使えそう。

 

5枚目。同じく50㎝間隔の1列植え。麻ひもをつかいトマト1株ずつを縛り上げその後みな同じ方向へ倒していく。きつくしばりすぎると中に挟まったトマト収穫が出来ない。またはやりにくい。これも隣のトマトの株に覆い被せる感じになるのでいい具合に日陰になる。強風にどの程度畝から落ちずに耐えられるか。覆い被せた茎同士が絡まり合っていくと動きにくい仕立てに出来ると思われるので、収穫作業をしながら茎の整枝作業も一緒に見ながらという感じになるか。(アキオ)

 

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