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次世代の農業 おぐらやま農場のめざすもの 

私たちが農場を始めたのは日韓サッカーワールドカップの2002年でしたから今年で17年目。 農業という仕事を選択した自分たちが、この地球を汚したり負荷をかけない農業をどうしたらできるだろうか、そして誰もが安心して食べられる農産物をどうやったら提供できるだろうかというゴール(目的・目標)に対して、ずっと試行錯誤し続けてきた16年だったと思います。

肥料・農薬に頼らない農業がどうやったら成立するか

その為に、「肥料・農薬に頼らない農業がどうやったら成立するか」という具体的なテーマを設定ができたのが10年前です。そこへ辿り着くまで6年かかりました。炭素循環農法ホームページの記述からヒントをもらい、各地の実践圃場を見学したり学習会を開いたりしました。肥料(畜産堆肥や化学肥料などチッソ肥料と呼ばれるもの)をすっかり止め、炭素分の多いモミガラや剪定チップ等を土壌微生物のエサとして準備し、炭素循環する土壌環境づくりを8年間やり続けてきました。

安曇野の地下水を巡って③  2017年6月号 ニュースレターより 無農薬のりんごづくりを目指して

家庭菜園の野菜や人参畑でも文句のつけようがない美味しいものが実ってくれたし、切り口がなかなか変色しない酸化しないりんごができました。果物も雑味のない爽やかな食味に変化してきたのですが、それだけではりんごや桃たちの病虫害はなくなっていかなかったし、経済的に安定できる収量を確保できたとはとても言えない状態でした。

植物ホルモンの働きに着目した剪定・管理方法「道法スタイル」

2年前、道法正則さんが提唱する、植物ホルモンの働きに着目した剪定・管理方法「道法スタイル」に出会って、はっきりとした技術指標が自分の中に定まりました。植物体そのものの事を何ら知らずに、植物が根を下ろす土壌環境ばかりを何とかしよう、それで何とかなると思っていた自分の視野の狭さを痛感したのです。

 

道法さんは、普通の剪定方法では真っ先にいらない枝として切り落とされる「徒長枝(とちょうし)」というまっすぐ上に向かって伸びる長大な枝を、「この枝が一番いい実がなる大切な枝なので切ってはいけない」と常識の正反対の事を言うのです。

 

まっすぐ上に伸びる枝ほど元気がいい。植物ホルモンの流れも一番活性化している。枝を伸ばし、実を大きくする「ジベレリン」、花芽を作り花を咲かせる「サイトカイニン」、発根を促し、根を成長させる「オーキシン」、果実熟度を進め、植物体が病原菌や害虫から身を護るための「エチレン」、果実の糖度を上げる「アブシジン酸」等の植物ホルモン、これらをバランスよく活性化していく方法に焦点を合わせます。

 

果樹が元気に育てば肥料などなくても大きく、美味しい作物になるのは自明の理。その反対が、徒長枝を切りまくって樹を弱らせておいて肥料で実を太らせ、寄り付いてくる病害虫を農薬で退治していくやり方です。

植物ホルモンをいかす剪定方法

 

2年前の9月終わり、初めて道法さんのセミナーへ足を運び、2日間しっかりと植物ホルモンの基礎的な働きと活性化するための剪定について学んできた私は、この話は本当なのかな、自分のりんご畑で見てみたらどうなっているのかなと早く確かめたくて、会場からまっすぐりんご畑に向かいました。 ちょうどその時はりんごの葉が長雨で「褐斑病」というカビの病気(高温多湿環境で発生しやすい)に侵されて、どんどん落葉していたのです。

 

果樹に地力がないのに低農薬栽培をごり押しするが故の当然の現象です。りんご畑についた時も雨がしとしと降っていました。りんごの樹に向き合ってみると、数は少ない上に向かって立っている枝にはまだちゃんと葉がついている、下向きに剪定してあったほとんどの枝には葉が残っていないという事実がありました。

この時、「やっとわかっていただけましたか」とりんごの樹の声が聞こえたのです。いや聞こえたような気がしたのです。(私、普通の人間なので植物と会話する力はない)この時「今まで苦労かけて申し訳なかったです。この冬の剪定からは全部やり方を変えますから。」と私はりんごの樹と約束せざるを得なかったのです。

きっと、地球の健康も、人の健康も、どちらも同じ

どうしておぐらやま農場が「肥料・農薬に頼らない」という命題をかかげたのか。私たちが暮らす信州・安曇野は、何よりも全国に名高い名水のふるさとです。あちこちに美味しい水の汲み場が設けられ、ここに住んでいる人たちの暮らしを支えています。雨が北アルプスなどの山々にしみ込み、長い時間をかけて大地に磨かれ、地下水となります。安曇野の天然水は全国的に有名ですし、美しい水環境が作り出す美味しいお米・果物・野菜の産地として、そして低地に湧き出す地下水がはぐぐむワサビの名産地として、数限りない豊かさを私たちにもたらしています。

安曇野の地下水を巡って⑥ 2017年10月号ニュースレターより 無農薬のりんごづくりを目指して 

 

しかし近年、地下水検査の項目で、農地で使われている「チッソ肥料」由来の硝酸態チッソ濃度が基準ぎりぎり、またラインオーバーするケースが出てきて、安曇野の宝ともいうべき地下水の未来は、明らかに農業者にその命運が託されていると言って過言でない状況があります。 「農作物を育てるためには肥料が必要」という考えは現在の農学において当然なのですが、本当にそうだろうかと検証していくと、様々な事実が浮かび上がります。

 

@チッソ肥料を多用する農地の農作物は、美味しくない。(自分の畑で誰でも検証できます。葉野菜などのえぐみはわかりやすい) そして保存が効かず、傷みやすい。冷蔵庫へ入れておいてもだんだん溶けてくる。細胞が弱いため、酸化しやすいことが原因。

 

@硝酸態チッソが大量に含まれている農作物は、人体の消化過程でニトロソアミンという発がん物質を作る。

 

@作物体内のチッソ濃度が高まると、植物ホルモンのエチレン生成が弱まる。エチレンは植物体自らが病害菌や害虫に抵抗性を持たせるホルモン。肥料を使えば使うほど、その作物は病害虫の標的となっていく。

 

@そのために、肥料を多用する農地では、多くの場合、病気にかからないよう、虫に食われないようにたくさんの農薬が散布されて行くことになる。肥料による健康リスクに、さらに残留農薬による健康リスクが加わってしまう。

 

@チッソ肥料が使われている農地では団粒構造が消失していく。団粒構造とは土中の菌類(主にキノコ菌といわれる白色糸状菌類)が有機質を分解していく過程で作り出す粘性物質が土の粒子を抱き込み、土の粒子と粒子の間に空間を作りだす状態の事。チッソ肥料が散布されると菌類の生息に適さない環境となり、固い土壌構造に変化してしまう。

 

@地下水を汚す最大の原因として、農地に大量に撒かれたチッソ分が雨水などの地下浸透とともに地下水へ混入することが指摘されている。一度汚された地下水は、浄化することも難しく、影響が広範囲にそして長期間続いてしまう。

 

「肥料を使って農産物を栽培する」というこれまで当り前だった事を見直し、地球の健康にも人の健康にも寄与できる「肥料を使わない農業」の実現は、農産物を食べる消費者の方一人一人に、それを求めて頂くことが一番の早道です。どんな農業者でも、消費者に求めてもらえるからこそ、それにあったものを生産できるのですから。日ごろ口にする農作物が作られる背景に、ちょっと気持ちを傾けてみて下さい。それだけで確実に変わるものです。

(ニュースレター 2018年7.8月号より 松村暁生 著)

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