冬の桃畑・サイトカイニンを意識して
桃畑の剪定作業は終了しりんご畑を進めています。切り落とした枝の片付け作業をウーファーさん達に手伝ってもらっています。細かい枝はコンテナに収めて、ストーブの焚付け用に。太いものはチェンソーとノコギリで長さを揃えてこれもストーブに使います。
果樹たちとの共同作業
さて、桃の花芽調整作業も急がれましたがこれも無事本日終了(2月15日)。3月に入ると蕾が膨らみ始めますので、その前に半分から6割程度は落としてしまうのです。
桃畑の様子です。
昨年の夏以降の花芽形成、そして春が来ると蕾を膨らませ、開花・受粉といった花関係の成長を支えているのが、サイトカイニンと呼ばれる植物ホルモンです。
花芽を減らすことは、サイトカイニンの浪費を抑えて、一つ一つの花の受粉の質を上げるための大切な仕事。蕾が膨らんでからの方がポロポロ取れやすく仕事がしやすいのですが、サイトカイニンが動き出し、膨らみ始めてからの摘蕾は、樹がもう一度花芽形成をしようとする為、浪費を抑える効果が少なくなってしまいます。
まだ樹が水を根から上げてない今頃までの時期、蕾が硬く小さいうちが花芽調整の適期なのでした。
その時期にやっておきたいことが一つ一つ確実に進めていけるかどうか、その積み重ねが収穫する果実に如実に表れてくるのです。ごまかしの効かない、果樹たちとの共同作業です。
切り上げ剪定は、この方に学んでいます。
植物は肥料で育つのではなく、植物ホルモンで育っている。
「植物は肥料で育つのではなく、植物ホルモンで育っている。」という理に合わせた「切り上げ剪定」。
発芽ホルモン(ジベレリン)葉や茎が元気に育つ。・・チッソ
花ホルモン(サイトカイニン)根の生長・開花結実。・・リン酸
根っこホルモン(オーキシン)根や実の発育。・・カリウム
虫よけホルモン(エチレン)細胞膜を作る。・・カルシウム
美味いホルモン(アブシジン酸)葉緑素を構成。・・マグネシウム
これまでの農学では、肥料の3要素や各種ミネラル類にそれぞれの働きがあると言われて、様々な肥料が工夫されてきた歴史があります。
が、植物体内でその生長を司る最大の要素は植物ホルモンではないのかと。
剪定する時にどんな枝ぶりを作ったらどんなホルモンが働くのか、どれぐらい枝を切ればいいのか、剪定と根っこの成長はどのようにリンクしているのか、植物のチッソ含有量が高まると何が起こるのか等々を考えながら切っていきます。
樹の姿が全然変わってきます。これまでほぼ切り下されていた徒長枝(とちょうし)と呼ばれる、通常は無駄な枝だとされた枝を使うのです。でも事実、これでやってみると樹が丈夫になり、収量が増え、良いものが取れるようになりそうです。
今年もおぐらやまの農産物を楽しみにしていてください。
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