「農薬散布は、たとえて言うなら不良学生がかくれてタバコを吸うようなものと思って下さい。もちろん体には良くないしやめた方がいい。でも肥料を畑に撒くのは作物に覚せい剤を打ち込むようなものです。雨に溶けたチッソ分は強制的に吸収されて、一時は枝葉を伸ばし元気なように見えるけれど、病気や害虫から身を守っている植物ホルモンのエチレン生成能力を奪い取る。抵抗力をなくした作物はやがて虫や病気の餌食になってしまい、肥料が切れたとたんに弱り始め、日照りが来たらすぐに枯れてしまう。農薬と肥料が作物に及ぼす影響の大きさを見ていくと、タバコと覚せい剤くらい違う事を覚えておいてください」
なんと1玉2160円。山梨県産で糖度13度内と表示があります。私は最初、写真に写ってる7玉で2160円だと思っていたので、私たちの値付け価格とそんなに変わらないのかなと勘違いしていたのですが、よく見ると「1玉2160円」でした。おぐらやま農場のあかつき11玉3キロ箱は3300円。1玉300円。約7倍の開きはどう考えても安すぎる?! いや某高級デパートが高すぎる?! どっちだ?
どうしておぐらやま農場が「肥料・農薬に頼らない」という命題をかかげたのか。私たちが暮らす信州・安曇野は、何よりも全国に名高い名水のふるさとです。あちこちに美味しい水の汲み場が設けられ、ここに住んでいる人たちの暮らしを支えています。雨が北アルプスなどの山々にしみ込み、長い時間をかけて大地に磨かれ、地下水となります。安曇野の天然水は全国的に有名ですし、美しい水環境が作り出す美味しいお米・果物・野菜の産地として、そして低地に湧き出す地下水がはぐぐむワサビの名産地として、数限りない豊かさを私たちにもたらしています。
思想史研究家、関曠野(せきひろの)さんと、安曇野市穂高の有機農家、藤沢雄一郎さんとの共著「グローバリズムの終焉」を紹介しています。なんだか、ラジオ番組「武田鉄矢の3枚おろし」みたいになってきましたが、再読して改めてこの本の主張のなんと骨太で、大地に根を張ったもの言いであるかを、改めて噛み締めております。これぐらいのビジョンを語れる政治家さんがいないものでしょうか。
「 グローバリズムの終焉 ~経済学的文明から地理学的文明へ~ 」 という思想史研究家の関曠野(せきひろの)さんと安曇野市穂高で有機農業をする藤沢雄一郎さんが共著の本を、読み返しました。
ほぼ毎日火を起こして部屋を暖めるこの営みが、なんとも言えない充実感に充ちていることを告白致します。火を焚くことで「ヒト」は「人間」となったという、我らの魂の奥底に眠る、生命の根源を思うのです。
今年一年の初めに、一冊の本を読みました。「旅とオーガニックと幸せと ~WWOOF農家とウーファーたち~ 」ウーフジャパン事務局の星野紀代子さんという方が著者です。
私たちのりんご畑は、無農薬栽培にはまだなりませんが、農薬使用量を当地標準3割以下に抑えた低農薬栽培に取り組んでいます。石灰硫黄合剤・ボルドー液(石灰+銅)など、天然鉱物原料などの理由で「化学農薬にカウントされない」有機JAS認証資材も使いますので化学合成農薬の使用割合はさらに下がります。
農業者である私たちが、地下水保全のために取り組んでいくことの柱は、まず何を置いても窒素肥料をやめる、もしくは使う量を減らす栽培に切り替えていくこと。「硝酸態窒素」が多量に含まれる化学肥料や畜産堆肥などの多施肥栽培が、収量維持していくためのこれまでの常識ですが、地下水を汚す原因としてまだまだ認知されていない、されていても危機感が薄いというのが、現状ではないでしょうか。
水田が地下水の涵養に大きな役割を果たしている事を市民で共有して、お米の生産と消費に取り組んでいるとの事。そして、田んぼも含め農地で今まで当たり前のように使われていたチッソ肥料が地下水を汚染してしまう主原因であるという現実が浮かび上がってきています。