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某高級デパートの桃の価格に驚き!!考え方はいろいろですから 

2月から5月の4ヶ月間、おぐらやま農場で果樹栽培研修をしてくれていたエクさんが写真を1枚送って来てくれました。(左) 東京の某高級デパートの売り場に並ぶ桃です。

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某高級デパートの桃は1個2,160円!!!

なんと1玉2160円。山梨県産で糖度13度内と表示があります。私は最初、写真に写ってる7玉で2160円だと思っていたので、私たちの値付け価格とそんなに変わらないのかなと勘違いしていたのですが、よく見ると「1玉2160円」でした。

私も桃を生産・販売しているものの端くれですから、「おお、これはすごい!」と思う節もあるのですが、価格のつけ方は考え方が現れて面白いなと思います。

おぐらやま農場の桃は1個300円

ちなみに右写真のおぐらやま農場のあかつき11玉3キロ箱は3300円。1玉300円。約7倍の開きはどう考えても安すぎる?! いや某高級デパートが高すぎる?! どっちだ?

デパートさんも売れない値付けはしないでしょうから、ちゃんと需要があるわけです。どんな需要なんだろうと想像するに、「信頼できる、安心できる、間違いない」という価値がその価格に現れているのかなと思います。

かたや7分の1の価格の我らの桃が、「7分の1の信頼や安心しかないのか」と問うてみるに、「いや、真っ当な食べ物の価値として決して負けてない」という自負はあります。

でも、ここが考えどころで、果たしてデパートの桃は「真っ当な食べ物」としてそこに売られているのかなとふと思ったのです。多分、栄養やおいしさを求めて手にする食卓の果物というより、「値段が高い」ということがステイタス、価値になり、それを喜ぶ価値観の人の満足を充たしているのではないかなと。 食べ物というよりは飾りものや宝石のような感覚でしょうか。それはそれで需要があるのはよく分かります。

私にそれがいいとか悪いとかの判断はできないのですが、私たちの世話する果物たちを求めて下さる皆さまの価値観は、ちょっとそれとは違うでしょうか。

見てくれや包装から言えば未熟で洗練されていないところもあるやに思いますが、私は真っ当な食べ物としての果物、食べてもらえる人たちの健康と笑顔に役立てるものを届けたいと希います。

(皆さん想像してみて下さい。1玉2160円の価格のうち、生産農家が流通業者に販売する価格はいくらだと思いますか。私の予想はズバリ300円くらいかな。あとは中間マージンかと想像します。

皮ごといきましょう その1

今日は、FB友達のアキコさん・タケヨさんより「皮ごと食べられますよ」のお題をいただいたので投稿します。

おぐらやま農場の果物は桃でも梨、りんごでも「皮ごと行きましょう。美味しく食べられますよ」と、皆さんにおすすめしています。その理由は大きく分けて3つあると思ってますが、今回は一つ目を。

まず、無肥料で栽培管理すると、皮が苦くなく美味しいのです。肥料成分中の硝酸態窒素は苦味渋味のもとです。果物の場合、果肉部分は糖度蓄積があるからその甘さでごまかして食べられますが、それでも後味に残るので、 味覚の鋭い人にはすぐ分かります。

皮の部分には糖度がないので、苦味渋味がダイレクト。結果、不味いので剥いてしまおうとなります。無肥料の場合は果物の味と香りが純粋に感じられます。

ブラジルの林さん(炭素循環農法のHP制作者)から教えてもらった話ですが、市販されている香水の匂いは良い匂いの中に僅かだけ臭い匂いを調合して、その香りを独特足らしめている場合が多いそうですが、それと同じ構図で果物の良い香りの中にわずか肥料風味が感じられる場合に、味覚感覚的に「これは味が濃いなあ」とか「なんかクセになる味だね」「肥料のやり方で味が決まるんですね」などと評価されることがあります。

無肥料栽培の場合は純粋な果物の旨味で勝負となるので、後味も爽やか。その土地の気候や土質などによって生まれる風味・味わいを「テロワール」などと言いますが、その土地のテロワールは無施肥栽培で一層際立って来ると思います。

片や、香水のように妖艷で魅惑的、山下達郎的に言えば甘く危険な香りと味覚を求める方には(若い人にはわからない例えでした) どことなく肥料風味の果物を、皮を剥いて食べる場合にうまくハマるケースがあるようです。

好みは色々ですからどちらでも好きな方を選んでもらえばいいのですが、私はちょっとそれは苦手かな。果物でも女性でも?? これも性格や人柄が現れて面白いところです。

桃を皮ごと(タネはとりましょう)と、ミルク、お好みで少しのレモンか生姜、氷をたっぷりいれてミキサーにかければ、絶品の桃ミルクの出来上がり。暑い畑仕事から戻ってきてもグイっと飲めば、しっかりパワーチャージできますよ。

その2をまた後日投稿しますね。

(おぐらやま農場ニュースレター 2018年9月号より 松村暁生・著)

農薬散布は、たとえて言うなら不良学生がかくれてタバコを吸うようなもの

 

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